建物構造とは?どんな種類がある?
建物構造は全部で8種類
建物構造とは、建築物で使用される材料を表す言葉です。
アパートやマンションで使用されている建物構造は、主に8種類あります。
それぞれ、どんな建物構造か紹介していきます。
木造(W造)
木造とは、その名の通り主要部分を「木材」で作った構造のことで
、日本の戸建てやアパートで最も主流です。
木材自体のコストが低いので、家賃設定もほかの建物構造より低いです。
木は水分を吸収すると膨らみ、乾燥すれば水を発散して縮む特性があるので、
湿気が多い日本の気候に適しています。
水分を吸収してくれるので、窓の結露やカビが発生しにくいです。
構造上、柱や壁の間に隙間を開けるので通気性が良く、
年中一定の湿度を保てます。ただし、音も通しやすいので防音性に欠けます。
耐震性も低いと言われていますが、木はしなるので、
衝撃を吸収して揺れが小さくなります。
どうしても耐震性が気になる人は、耐震基準が変更された2000年以降の物件を探しましょう。
軽量鉄骨造(S造)
軽量鉄骨造とは、柱や梁などの骨組みに
「鉄骨の厚みが6mm未満」のものを使用した構造のことで、
アパートや小型店舗など小さめの建物に用いられます。
柱などに鉄骨を使用するため強度があり、
壁・床などを厚くできるので、多少防音性が高いです。
骨部分以外は木造と同じ素材なので建設コストが低く、
家賃が安めに設定されています。
鉄骨の厚みが6mm未満と薄く、重量に堪えられないので、地震などの大きな力には弱いです。
木造よりも揺れが大きく感じることがあります。
(1981年6月1日以降に建てられた建物は、震度6~7でも倒壊しないことを基準に建てられています。)
重量鉄骨造(S造)
重量鉄骨造は、柱や梁などの骨組みに
「鉄骨の厚みが6mm以上」のものを使用した構造のことで、
戸数が多い大型マンションやビルに用いられることが多いです。
大型の建物になるため、材料費などの建設コストが高く、
家賃もその分高くなっている場合が多いです。
鉄骨の厚みが6mm以上と分厚く、
重量があっても耐えられるので耐久性が高いです。
大型の建物は、土台が頑丈なので地震にも耐えられます。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた素材で、
鉄筋を組んだ枠の中にコンクリートを流し込んで固めたものを、
柱・梁・床・壁に使用しています。
鉄筋は引っ張る力に強いですが、熱に弱く錆びやすいです。
逆にコンクリートは熱に強く、引っ張る力に弱いので、
鉄筋をコンクリートで覆うことで互いの弱点を補い、耐久性が高くなります。
かなりの重量に堪えられる強度を持つうえ、
コンクリートは音を通しにくいので防音性が高く、分譲マンションなどでよく用いられます。
(鉄筋もコンクリートも材料費が高く、1度コンクリートを固める手間があるので、家賃が高く設定されています。)
(通気性が悪いので、結露やカビが発生しやすいです。)
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
鉄骨鉄筋コンクリート造とは、
鉄筋を組んだ枠の中にコンクリートを流し込んで固めたものを、
更にコンクリートで補強した構造で、
タワーマンションやオフィスビルなどに用いられます。
熱に弱い鉄骨をコンクリートで包み、
さらに揺れに弱いコンクリートを鉄筋で補強することにより、
非常に高い防音性・耐震性・耐火性・耐久性を持ちます。
建物構造の中で1番建設コストが高いうえ、
性能がかなり優れている構造なので、家賃がかなり高いです。
また、コンクリートの性質上、通気性が悪いため夏は暑く、
冬は寒くなります。結露やカビも発生しやすいです。
アルミ造(AL造)
アルミ造とは、アルミ製の部材を使用した構造です。
鉄の3分の1ほどの軽さで加工しやすいので、少しずつ注目されています。
日本ではまだ珍しいですが、サビや腐食に強いため、
海沿いの物件で増え始めています。
アルミは鉄と比較して軽いため、
強度は少なく2階建て以下の小型な建物に用いられることが多いです。
耐震性は鉄骨造とほぼ同じです。
コンクリート充填鋼管構造(CFT造)
コンクリート充填鋼管構造とは、
鋼管の中にコンクリートを充填した素材を使っている構造です。
主に商業施設で使用されているので、賃貸物件ではあまり見かけません。
鋼管の中にコンクリートを詰めているため、
鉄骨上以上に柱を細くしても、耐久性・耐震性に優れています。
コンクリートブロック造(CB造)
コンクリートブロック造とは、
コンクリートブロックを積み上げて建築する構造です。
日本では、コンクリートブロックを積み上げただけでは
建物としての許可が下りないので、鉄筋が中に通っています。
小規模の住宅や倉庫に用いられています。
耐久性・耐火性にかなり優れているうえ、
防音性、断熱性も良いです。
また、RC造よりも建設コストが安いので、
家賃が多少安めに設定されています。